友人同士で行われる「いじり」は、度を超えると「いじめ」にもなり得ます。
子どもが「いじり」と称するいじめに苦しんでいるようなら、学校と連携して解決を目指しましょう。学校が十分な対応をしてくれないときは、弁護士にご相談ください。
本記事では「いじり」がいじめに当たるケース、子どものいじめについて親ができる対策や相談先などを、ベリーベスト法律事務所 学校問題専門チームの弁護士が解説します。
「ただの冗談のつもりだった」そんな意識の裏で、気づかないうちにいじめが始まっているケースがあります。まず「いじり」とはどのような行為なのか、理解しておきましょう。
「いじり」とは一般に、他人を冷やかしたりからかったりする行為を意味します。
当事者同士の間に信頼関係があれば、いじりはコミュニケーションの一環として認められることもあります。いわゆる「いじられキャラ」として、友人の間で好意的に受け入れられている子どもがいるのも事実です。
しかし、十分に関係性ができていない者同士の間で行われるいじりは、相手に不快感を与えることもあるので注意が必要です。また、親しい友人だと思って行ったいじりも、度を超えてエスカレートすれば相手に不快感を与え、相手側が「いじめだ」と捉えかねません。
文部科学省の調査によると、令和6年度に認知されたいじめの態様のうち、もっとも多数(76万9022件中45万177件、58.5%)を占めたのが「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」というものでした。
言う側は「いじり」だと思っていても、言われる側の捉え方によっては「いじめ」に当たり得ることに十分留意しなければなりません。
「いじり」は、「いじめ」との境界線があいまいで判断しにくいものです。
しかし、表面上は笑って受け流していても、いじられている本人が苦痛を感じていれば「いじめ」になり得ます。具体的なケースと判断条件について解説します。
加害者が「仲がいいからやってるだけ」と思っていたり、被害者も周囲の目やグループ内の立場を気にして「やめて」と言い出せないことが多いのが「いじり」です。そのため被害が表面化しにくく、保護者や教職員も気づきにくいという構造があります。
「いじり」をいじめと自覚しにくい理由として、以下のケースが考えられます。
文部科学省のいじめの定義では、被害者が心身の苦痛を感じているかどうかがいじめの判断基準です。加害者の「いじっていただけ」という主張は、いじめを否定する根拠にはなりません。
以下に該当する場合、「いじり」は「いじめ」として判断される可能性があります。
子どもから「いつもいじられる」「クラスで笑われる」といった話が出たら、保護者として、まず「それは嫌だったね」と受け止めることが重要です。
本人が苦痛を感じているという事実を出発点にヒアリングし、状況によっては各所への相談を検討しましょう(具体的な相談先は4章)。
子どもが学校で受けている「いじり」がいじめに当たるのではないかと疑ったときは、保護者として次の対策などを講じましょう。
まずは、学校でどのような言葉による「いじり」を受けたのか、それに対して子どもがどう感じたのかなどを丁寧にヒアリングしましょう。
もし子どもが苦痛を感じていて、いじりをやめてほしいと思っているようなら、保護者や教職員などの大人による介入が必要かもしれません。
子どもが受けている「いじり」がいじめに当たると思われる場合は、その証拠を確保しましょう。有力な証拠があれば、学校や弁護士に相談する際などに役立ちます。
主な証拠の記録方法としては以下が挙げられます。
あわせて読みたい
当事者だけで解決できないときは、学校に相談しましょう。不適切ないじりの内容や、子どもが感じている苦痛を学校に訴えれば、再発防止に向けた対応をとってもらえることがあります。
学校が十分な対応をとってくれないときは、スクールカウンセラー・行政機関の窓口・警察・弁護士などへの相談を検討してください。
各窓口の特徴や役割は、次章で解説します。
いじめの被害については、次の窓口などが相談を受け付けています。状況に応じて相談先を使い分けましょう。
特に弁護士は、初期段階から解決に至るまで幅広く相談を受け付けているので、お気軽にご相談ください。
学校は「いじめ防止対策推進法」により、いじめの早期発見や防止・対処を行い、子どもの安全を守る義務を負っています。
学校が適切に対応してくれれば、いじめの迅速な解決が期待できます。子どもがいじめられていることが分かったら、まず学校に相談しましょう。
スクールカウンセラーは一部の学校に配置されており、悩んでいる児童・生徒に対する相談や助言などを行っています。
スクールカウンセラーの多くは臨床心理士・公認心理士などの有資格者で、子どもの心情に寄り添ったアドバイスが期待できます。いじめによって子どもの心が傷ついているときは、スクールカウンセラーに相談してみましょう。
次に挙げる行政機関の相談窓口では、いじめに関する相談を受け付けています。
学校側に相談しにくい場合や、学校が十分に対応してくれない場合などには行政機関の窓口に相談してみましょう。
いじめが度を超えている場合は、犯罪に当たることもあります。
たとえば、公然とひどい言葉を浴びせられている場合は「名誉毀損罪」や「侮辱罪」、暴力を振るわれている場合は「暴行罪」や「傷害罪」が成立する可能性があります。
犯罪に当たるようないじめを受けている場合は、警察への相談も検討してください。証拠とともに被害届を提出すれば、犯人の摘発に向けて捜査を進めてもらえることがあります。
いじめが原因で精神的に辛い状況が続いているときは、精神科や心療内科などの医療機関を受診しましょう。カウンセリングや薬剤による治療などを通じて、心を楽にするためのサポートをしてもらえます。
また、学校に対応を求める場合や、加害者側に対して損害賠償を請求する場合などには、医師の診断書が役立つことがあります。
早い段階から医師の診察を受けて治療を続ければ、その経過を踏まえて診断書を作成してもらえます。少しでも辛さを感じているなら、早めに医療機関を受診してください。
弁護士はいじめについて、初期段階の相談から解決に至るまでサポートを行っています。学校側への働きかけ、警察への届出に関するアドバイス、加害者側に対する損害賠償請求などの対応が可能です。
弁護士が表に出ることなく、学校や加害者との交渉方法のアドバイスなどの後方支援だけを行うこともできます。ベリーベスト法律事務所では学校問題専門チームの弁護士が、お客さまのニーズに合わせていじめ問題の解決をサポートいたしますので、ぜひお早めにご相談ください。
参考
友人同士の「いじり」は、コミュニケーションの一環としてよく見られるものの、度を超えると「いじめ」に当たることもあります。
子どもたちの間のいじりがいじめに当たるかどうかは、受ける側が苦痛を感じているかどうかによって判断します。しかし、子ども自身は当事者だからこそ、その判断をするのが難しくなってしまうケースもあります。保護者が学校や弁護士などと連携して、適切に対応を進めることが重要です。
もし子どもが「いじり」に対して苦痛を感じているようなら、早い段階で学校に相談してください。学校が十分に対応してくれないなら、弁護士に相談することをおすすめいたします。
ベリーベスト法律事務所は学校問題専門チームを設け、いじめに関するご相談を随時受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
ベリーベスト法律事務所
パートナー弁護士
米澤 弘文
所属:東京弁護士会 登録番号:53503
学校問題専門チームのリーダーとして、いじめや退学、事故など、学校・保育園・幼稚園等の管理下で発生する問題に幅広く対応。
東京弁護士会「子どもの人権110番」では長年にわたり相談業務に従事しているほか、ラジオやWEBメディアを通じて学校トラブルに関する情報発信にも力を注ぐ。
無料
通話