いじめの弁護士コラム

「いじり」も「いじめ」? 判断条件や親ができる対策・相談先

  • いじめ
更新日:2026年06月11日 公開日:2026年06月11日
「いじり」も「いじめ」? 判断条件や親ができる対策・相談先

友人同士で行われる「いじり」は、度を超えると「いじめ」にもなり得ます。

子どもが「いじり」と称するいじめに苦しんでいるようなら、学校と連携して解決を目指しましょう。学校が十分な対応をしてくれないときは、弁護士にご相談ください。

本記事では「いじり」がいじめに当たるケース、子どものいじめについて親ができる対策や相談先などを、ベリーベスト法律事務所 学校問題専門チームの弁護士が解説します。


1、そもそも「いじり」とは?

「ただの冗談のつもりだった」そんな意識の裏で、気づかないうちにいじめが始まっているケースがあります。まず「いじり」とはどのような行為なのか、理解しておきましょう。

  1. (1)「いじり」はからかう行為。エスカレートすると「いじめ」に

    「いじり」とは一般に、他人を冷やかしたりからかったりする行為を意味します。

    当事者同士の間に信頼関係があれば、いじりはコミュニケーションの一環として認められることもあります。いわゆる「いじられキャラ」として、友人の間で好意的に受け入れられている子どもがいるのも事実です。

    しかし、十分に関係性ができていない者同士の間で行われるいじりは、相手に不快感を与えることもあるので注意が必要です。また、親しい友人だと思って行ったいじりも、度を超えてエスカレートすれば相手に不快感を与え、相手側が「いじめだ」と捉えかねません。

  2. (2)「冷やかし・からかい・悪口等」は最も多いいじめの態様

    文部科学省の調査によると、令和6年度に認知されたいじめの態様のうち、もっとも多数(76万9022件中45万177件、58.5%)を占めたのが「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」というものでした。

    言う側は「いじり」だと思っていても、言われる側の捉え方によっては「いじめ」に当たり得ることに十分留意しなければなりません。

2、本人が苦痛を感じていれば、「いじり」は「いじめ」になり得る

「いじり」は、「いじめ」との境界線があいまいで判断しにくいものです。
しかし、表面上は笑って受け流していても、いじられている本人が苦痛を感じていれば「いじめ」になり得ます。具体的なケースと判断条件について解説します。

  1. (1)加害者も被害者も自覚しにくい「いじり」のいじめ

    加害者が「仲がいいからやってるだけ」と思っていたり、被害者も周囲の目やグループ内の立場を気にして「やめて」と言い出せないことが多いのが「いじり」です。そのため被害が表面化しにくく、保護者や教職員も気づきにくいという構造があります。

    「いじり」をいじめと自覚しにくい理由として、以下のケースが考えられます。

    【加害者側が「いじめ」と自覚しにくい理由】
    • 「笑いを取ろうとしただけ」「仲良しだからできること」という認識
    • 周囲も一緒に笑っているため、悪いことをしているとは思っていない
    • 相手が表面上は笑って受け流しているため、傷つけている自覚がない

    【被害者側が「いじめ」と自覚しにくい理由】
    • 自分の受け取り方が過剰なのかと感じてしまう
    • グループ内での立場を気にして、嫌だと言い出せない
    • 保護者や教職員に話しても「冗談でしょう」と流されてしまうことを恐れている
    • 自分が「ノリの悪い人間」と思われることを避けたい気持ちが働く
  2. (2)「いじり」が「いじめ」になる判断条件とは

    文部科学省のいじめの定義では、被害者が心身の苦痛を感じているかどうかがいじめの判断基準です。加害者の「いじっていただけ」という主張は、いじめを否定する根拠にはなりません。

    以下に該当する場合、「いじり」は「いじめ」として判断される可能性があります。

    • いじられている本人が繰り返し苦痛を訴えている
    • 断れない力関係や拒否しにくい環境の中で行われている
    • 外見や家庭環境等への差別的発言で、人格を傷つけている

    子どもから「いつもいじられる」「クラスで笑われる」といった話が出たら、保護者として、まず「それは嫌だったね」と受け止めることが重要です。

    本人が苦痛を感じているという事実を出発点にヒアリングし、状況によっては各所への相談を検討しましょう(具体的な相談先は4章)。

3、いじめの可能性がある「いじり」に対して、親ができる対策

子どもが学校で受けている「いじり」がいじめに当たるのではないかと疑ったときは、保護者として次の対策などを講じましょう。

  1. (1)状況や子どもの気持ちをヒアリングする

    まずは、学校でどのような言葉による「いじり」を受けたのか、それに対して子どもがどう感じたのかなどを丁寧にヒアリングしましょう。

    もし子どもが苦痛を感じていて、いじりをやめてほしいと思っているようなら、保護者や教職員などの大人による介入が必要かもしれません。

  2. (2)いじめの証拠を確保する

    子どもが受けている「いじり」がいじめに当たると思われる場合は、その証拠を確保しましょう。有力な証拠があれば、学校や弁護士に相談する際などに役立ちます。

    主な証拠の記録方法としては以下が挙げられます。

    ・会話の録音
    子どもが持っているスマートフォンなどを用いて、いじりを受けた際の会話を録音することができれば、具体的な証拠として活用しやすくなります。

    ・日記・メモの記録
    いじりの内容や受けた際の心情などを日記などにまとめておく方法も有力です。いじりの内容、日時、場所、その時の気持ち、加害者や誰がいたかなど、具体的かつ明確であれば説得力のある証拠になり得ます。
  3. (3)学校に相談し、連携して対応する

    当事者だけで解決できないときは、学校に相談しましょう。不適切ないじりの内容や、子どもが感じている苦痛を学校に訴えれば、再発防止に向けた対応をとってもらえることがあります。

  4. (4)学校以外の第三者に相談し、解決に向けたサポートを受ける

    学校が十分な対応をとってくれないときは、スクールカウンセラー・行政機関の窓口・警察・弁護士などへの相談を検討してください。

    各窓口の特徴や役割は、次章で解説します。

4、いじめの主な相談先

いじめの被害については、次の窓口などが相談を受け付けています。状況に応じて相談先を使い分けましょう。
特に弁護士は、初期段階から解決に至るまで幅広く相談を受け付けているので、お気軽にご相談ください。

  1. (1)学校

    学校は「いじめ防止対策推進法」により、いじめの早期発見や防止・対処を行い、子どもの安全を守る義務を負っています。

    学校が適切に対応してくれれば、いじめの迅速な解決が期待できます。子どもがいじめられていることが分かったら、まず学校に相談しましょう。

  2. (2)スクールカウンセラー

    スクールカウンセラーは一部の学校に配置されており、悩んでいる児童・生徒に対する相談や助言などを行っています。

    スクールカウンセラーの多くは臨床心理士・公認心理士などの有資格者で、子どもの心情に寄り添ったアドバイスが期待できます。いじめによって子どもの心が傷ついているときは、スクールカウンセラーに相談してみましょう。

  3. (3)行政機関の相談窓口

    次に挙げる行政機関の相談窓口では、いじめに関する相談を受け付けています。

    ① みんなの人権110番
    参考:「みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル)」(法務省)

    ② こどもの人権110番
    参考:「いじめなどの電話相談窓口【こどもの人権110番】」(法務省)

    ③ 子どもの人権SOS-eメール
    参考:「子どもの人権SOS-eメール」(法務省)

    ④ LINEじんけん相談
    参考:「法務局LINEじんけん相談(チャット人権相談)」(法務省)

    ⑤ 各自治体のいじめ相談窓口

    学校側に相談しにくい場合や、学校が十分に対応してくれない場合などには行政機関の窓口に相談してみましょう。

  4. (4)警察

    いじめが度を超えている場合は、犯罪に当たることもあります。
    たとえば、公然とひどい言葉を浴びせられている場合は「名誉毀損罪」や「侮辱罪」、暴力を振るわれている場合は「暴行罪」や「傷害罪」が成立する可能性があります。

    犯罪に当たるようないじめを受けている場合は、警察への相談も検討してください。証拠とともに被害届を提出すれば、犯人の摘発に向けて捜査を進めてもらえることがあります。

  5. (5)医療機関

    いじめが原因で精神的に辛い状況が続いているときは、精神科や心療内科などの医療機関を受診しましょう。カウンセリングや薬剤による治療などを通じて、心を楽にするためのサポートをしてもらえます。

    また、学校に対応を求める場合や、加害者側に対して損害賠償を請求する場合などには、医師の診断書が役立つことがあります。
    早い段階から医師の診察を受けて治療を続ければ、その経過を踏まえて診断書を作成してもらえます。少しでも辛さを感じているなら、早めに医療機関を受診してください。

  6. (6)弁護士

    弁護士はいじめについて、初期段階の相談から解決に至るまでサポートを行っています。学校側への働きかけ、警察への届出に関するアドバイス、加害者側に対する損害賠償請求などの対応が可能です。

    弁護士が表に出ることなく、学校や加害者との交渉方法のアドバイスなどの後方支援だけを行うこともできます。ベリーベスト法律事務所では学校問題専門チームの弁護士が、お客さまのニーズに合わせていじめ問題の解決をサポートいたしますので、ぜひお早めにご相談ください。

    弁護士によるいじめ問題解決の後方支援のイメージ

学校・保育園・幼稚園のトラブル
法律相談予約はこちら

  • 日本全国のご相談に対応
  • 学校問題に強い専門チーム

無料通話

0120-187-059
平日・土日祝/9:30〜18:00

5、まとめ

友人同士の「いじり」は、コミュニケーションの一環としてよく見られるものの、度を超えると「いじめ」に当たることもあります。

子どもたちの間のいじりがいじめに当たるかどうかは、受ける側が苦痛を感じているかどうかによって判断します。しかし、子ども自身は当事者だからこそ、その判断をするのが難しくなってしまうケースもあります。保護者が学校や弁護士などと連携して、適切に対応を進めることが重要です。

もし子どもが「いじり」に対して苦痛を感じているようなら、早い段階で学校に相談してください。学校が十分に対応してくれないなら、弁護士に相談することをおすすめいたします。

ベリーベスト法律事務所は学校問題専門チームを設け、いじめに関するご相談を随時受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者
米澤 弘文

ベリーベスト法律事務所
パートナー弁護士  米澤 弘文

所属:東京弁護士会  登録番号:53503

学校問題専門チームのリーダーとして、いじめや退学、事故など、学校・保育園・幼稚園等の管理下で発生する問題に幅広く対応。
東京弁護士会「子どもの人権110番」では長年にわたり相談業務に従事しているほか、ラジオやWEBメディアを通じて学校トラブルに関する情報発信にも力を注ぐ。

  • ※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

いじめのコラム

学校・保育園・幼稚園のトラブル
法律相談予約はこちら

  • 日本全国のご相談に対応
  • 学校問題に強い専門チーム

無料通話

0120-187-059
平日・土日祝/9:30〜18:00

無料
通話

0120-187-059
平日・土日祝ともに9:30〜18:00