子どもが学校で他の児童・生徒をいじめていることが判明した場合、保護者は法的な責任をきちんと果たしつつ、子どもを守るための対応を心がけることが大切です。
弁護士のサポートを受けながら穏便な解決を目指しましょう。
本記事では、いじめ加害者の親(加害保護者)がとるべき対応や、弁護士ができるサポートなどをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
学校側やいじめ被害者と称する子どもの親から、自分の子どもがいじめの加害者であると告げられたら、まず冷静になって子どもと話をすることが大切です。
親としては、「自分の子どもがいじめをするわけがない」と考えたくなるかもしれません。しかし、そのような気持ちはいったん横に置き、まずは客観的な事実が何であるかを把握することに努めるべきです。
その一方で、学校や被害者の言っていることをうのみにして、子どもを頭ごなしに責め立てるのもいけません。子ども自身は異なる認識でいるかもしれませんし、仮にいじめをしてしまったとしても、本人の思いには耳を傾けてあげるようにしましょう。
親としては、フラットな視線で事実を把握することを心がけつつ、子どもの心情にも配慮した対応に努めましょう。できる限り、怒りや悲しみなどの態度を見せず、子どもをやり込めようとする言動も避けて、親身になって子どもの話を聞くことが大切です。
子どもがいじめを疑われている場合には、学校や被害者との間で話し合う機会が設けられるケースがあります。学校や被害者との話し合いでは、特に以下のポイントに留意しつつ対応しましょう。
学校は本来、児童・生徒同士のトラブルに関しては中立であるはずです。加害者とされている側でも、学校の調査などに対して誠実に協力すれば、和解に向けて学校側の協力を得られる可能性があります。また学校内で発生したいじめの事実を適切に把握するには、学校側の協力が不可欠といえます。
学校側からいじめを糾弾するような発言がなされるケースもありますが、違うところは違うと指摘しつつ、できる限り学校側と敵対しないようにするのがよいでしょう。過激な言葉や感情的な言葉は避け、事実関係を正しく把握しつつ冷静に話をすることで、学校側の協力を得られる可能性が高まります。
学校側は、まず被害者側の主張を聞いて、その内容を基に加害者側への報告をしてくるケースが多いです。その場合、学校側の報告は、どうしても被害者寄りの内容になってしまいます。
学校の報告内容と、子どもから聞いた話の内容が食い違っている場合は、そのことを学校側に伝えて調査を求めましょう。実際にはやっていないことまでやったことにして話を進めてしまうと、子どもの心を傷つけるだけでなく、損害賠償請求を受けた際に不利益を被るおそれがあるので注意が必要です。
子どものいじめが事実であり被害者に謝罪する場合でも、当事者だけで会って謝罪をするのは避けるべきといえます。いじめによる被害者のショックは大きいため、適切な準備をせずに当事者だけで会うと、被害者側から理不尽な要求を受けたり訴えられたりするケースがあるためです。
事態が悪化することを避けるためにも、被害者に直接連絡して当事者間だけで謝罪するのではなく、学校の教員や弁護士などの第三者に同席してもらった状況で行いましょう。
子どもがいじめ加害者であることが判明した場合には、弁護士に相談したほうがよいケースもあります。特に以下のようなケースでは、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
学校側が加害者側の話を聞いてくれない場合や、事実関係の綿密な調査を行おうとしない場合は、加害者側を全面的に悪者にして、早くトラブルの収拾を図ろうとする意図がうかがわれます。
このような状況では、学校側が中立の立場で問題解決をサポートする役割は期待できません。加害者側としては、弁護士を通じて学校側に対し、事実関係の調査などを適切に行うよう求めるべきでしょう。
いじめの加害者とされた子どもに対して、学校側は退学を求めるケースがあります。本人や家族が拒否しても、強制的に退学処分とする例もしばしば見受けられます。
退学は、子どもの学歴に重大な悪影響を及ぼすため、できる限り避けたいところです。
学校側による退学要求や退学処分は、その根拠となる事実の有無や内容によっては違法となることがあります。もし学校側から退学を求められたり、退学処分を受けたりしたら、弁護士のサポートを受けて法的な観点から反論しましょう。
参考
被害者側の態度が強硬で、和解に応じる姿勢が見られない場合、そのままでは訴訟に発展する可能性があります。できる限り早期かつ適切な解決を目指すため、弁護士に相談しましょう。
弁護士に依頼すれば、被害者との和解交渉を代理してもらえます。被害者側の心情にも配慮しつつ、法的な観点から適切な落としどころを探ることにより、和解成立への道が開けることがあります。
仮に訴訟へ発展したとしても、弁護士に依頼していればスムーズに対応することが可能です。専門的な手続きにも適切に対応できるので、不当に重い損害賠償責任が認められてしまうリスクを抑えることができます。
和解交渉の途中で被害者側が弁護士を付けた場合には、加害者側も弁護士に依頼することをおすすめします。
被害者側の弁護士は、法的な根拠を示しながら損害賠償を請求してくるでしょう。その請求を受け入れるかどうかを判断し、不当な請求があった場合には法的な観点から適切に反論する必要があるため、加害者側としても弁護士にアドバイスを求めるべきといえます。
また、双方に弁護士が付いた場合には、弁護士同士の間で和解交渉を行うことになります。弁護士の間で論点を整理したうえで交渉を進めれば、いじめに関するトラブルの早期解決が期待できます。
いじめ問題では、被害者側が警察に対して被害届や告訴状を提出するケースがあります。
被害届や告訴状が提出されると、いじめに関して成立する犯罪につき、警察などによる捜査が行われます。子どもに対する重い処分を避けるためには、弁護士のサポートが不可欠です。子どもが犯罪捜査の対象になると精神的にも不安定になりやすいですが、弁護士は、子ども本人や家族の味方として心情の面でも親身になって寄り添います。
子どもが他の児童・生徒に対していじめをしていたことが判明し、トラブルをできる限り穏便に解決したいときは、弁護士によるサポートが大いに役立ちます。
弁護士はご依頼者さまの代理人として、被害者側との交渉や、学校側への適切な調査・対応の働きかけなど、法的根拠を基に解決に向けた対応をすることができます。
学校側は、被害者側の主張を基に話を進め、加害者側の主張は聞いてくれないケースもあります。そのような場合でも、弁護士が事実に基づいて主張・反論することで加害者側の話にも耳を傾けてくれる可能性が高まります。
いじめの調査を進めるには、学校側の協力が不可欠であるため、対応を求めていかなければなりませんが、保護者がすべて対応するのは負担も大きいでしょう。弁護士に依頼すれば、学校側との話し合いや調査の働きかけなどをすべて任せることができるので、負担を軽減しつつ解決に向けて対応を進めることができます。
また損害賠償請求に関する示談交渉などにおいても、弁護士への相談がおすすめです。弁護士は、被害者側の主張にも配慮しつつ、事実に基づき、過去の裁判例なども踏まえて法的に適正な額による和解成立を目指してサポートします。
子どもがいじめ加害者であると聞かされて、どうしていいか分からずお悩みの方は、まずは弁護士へご相談ください。どのような方針で対応するべきか、弁護士なら法的観点からアドバイスすることが可能です。
参考
学校での問題・トラブルの
法律相談予約はこちら
子どもがいじめの加害者として疑われたら、まず冷静に子どもと話をして、事実関係を正確に把握しましょう。そのうえでいじめが事実であれば、被害者に謝罪を尽くすことが大切です。しかし、被害者が謝罪を受け入れないケースも考えられますので、その場合は弁護士に相談して解決を図りましょう。
ベリーベスト法律事務所は、いじめに関するトラブルのご相談を受け付けております。加害者側からのご相談にも親身になってご対応し、できる限り穏便に解決できるようにサポートいたします。
子どもがいじめ加害者であると指摘され、どのように対応すればよいのか分からずお困りの方は、お早めにベリーベスト法律事務所へご相談ください。
所在地 | 〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス) |
設立 | 2010年12月16日 |
連絡先 | [代表電話]03-6234-1585 [ご相談窓口]0120-187-059 ※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。 |
URL | https://www.vbest.jp/ |
学校での問題・トラブルの
法律相談予約はこちら