「いじめ」というと悪ふざけのようなイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、いじめの内容によっては、刑法上の犯罪にあたる可能性もあります。
いじめを受けた子どもは、身体的にも精神的にも大きなダメージを受けますので、子どもがいじめの被害を受けている場合には早期に適切な対応をとる必要があります。
本コラムでは、刑法上の犯罪にあたる可能性のあるいじめの例、子どもがいじめを受けていることがわかった場合の対応などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
いじめは、刑法上の犯罪にあたることはあるのでしょうか。
学校は、子ども同士が共同で生活を送っていく場所ですので、さまざまなトラブルが生じる可能性があります。その中でもいじめは、自殺者を出すなど大きな社会問題になっています。
加害者は軽い気持ちでやっていたことでも、被害者は心に大きな傷を負ってしまいます。このようないじめは、道徳的・倫理的に問題がある行為にあたるのはもちろんのこと、いじめの内容によっては、刑法上の犯罪に該当する可能性もあります。
以下では、いじめにより成立する可能性のある代表的な犯罪行為と具体的ないじめ行為を紹介します。
いじめがあった場合、そのすべてが犯罪になるとは限りません。以下では、犯罪にあたらないいじめといじめに関する学校側の責任について説明します。
犯罪として処罰されるためには、刑法などの法律に定められた要件を満たす必要があります。そのため、以下のようないじめについては、犯罪には該当しません。
しかし、刑法上の犯罪に該当しないいじめであっても、悪質ないじめであった場合には、不法行為が成立し、民事上の責任追及として、損害賠償請求を行うことができる可能性があります。
いじめが犯罪にあたる場合には、いじめをした加害者は、刑事上の責任を負うことになります。また、民事上の責任として損害賠償義務も負う可能性があります。
このようないじめの民事上の責任は、いじめの加害者だけでなく、学校にも生じます。学校は、児童・生徒が心身ともに安全な状態で、安心して学習できる環境を整える義務があります。このような義務を「安全配慮義務」といいます。学校がいじめを認識していたにもかかわらず放置していたような場合には、安全配慮義務違反が認められますので、学校側も被害者に対して、損害賠償義務を負うことになります。
子どもがいじめられていることが判明した場合、親としてはどのように対応したらよいのでしょうか。
子どもがいじめられていることがわかった場合、何とかしてあげたいという思いから、すぐにでも学校に押しかけようとするケースも少なくありません。しかし、子どもの気持ちを無視して、親が先走ってしまうのは適切な対応とはいえません。
いじめにより一番傷ついているのは、子ども自身ですので、まずは子どもに寄り添って、しっかりと話を聞いてあげてください。いじめられた子どもは、どこにも居場所がないと感じることも多いため、親が味方だということ、自宅が安心して生活できる場所であることを伝えてあげるようにしましょう。
子どもがいじめられていると学校に伝えても、十分な証拠がなければ、学校側がすぐに動いてくれない可能性もあります。そのため、子どもがいじめられていることがわかったら、子どもの話を聞きながら、いじめの証拠になりそうなものを集めておくようにしましょう。たとえば、壊されたり汚されたりした物、子どもの日記、ケガの写真や医師の診断書、SNS上のいじめの場合には画面のスクリーンショットなどが証拠となります。
学校で起きたいじめに対しての具体的な対応や今後の対策などは、学校側に行ってもらう必要があります。そのため、学校側にいじめがあったことを相談して、今後の対応について協議していくようにしましょう。
学校側がいじめ問題に真剣に取り組んでくれないという場合には、国公立学校の場合には市町村または都道府県の教育委員会に、私立学校の場合には各都道府県に設置されている私立学校主管部課に相談するというのも有効な手段となります。
またそのような場合、弁護士への相談も有効です。弁護士から学校側に対していじめの調査などを働きかけることで、学校側が動いてくれる可能性が高まります。
いじめにより子どもが心に大きな傷を負った場合、登校が難しい状況になることもあります。そのような状況においては学習の遅れも出てきてしまいますので、学校と協力しながら学習機会を確保することが大切です。
無理に学校に行かせるのではなく、自宅での学習など子どもが負担にならない範囲で学習機会の確保を進めていくとよいでしょう。
いじめ問題は、基本的には学校側との話し合いにより解決を図ることになります。しかし、犯罪行為に該当するような悪質ないじめがあった場合には、被害届の提出や刑事告訴も検討する必要があります。
参考
学校での子どものいじめ問題は、弁護士に相談することをおすすめします。
いじめの被害にあった場合には、いじめの加害者や学校側に対して、法的責任を追及できる可能性があります。どのような責任追及が可能であるかは、具体的な状況によって異なりますので、まずは弁護士に相談してみることがおすすめです。
学校側と協議してもいじめの調査や対策に真剣に取り組んでくれないという場合には、学校側との交渉を弁護士に依頼することも有効な手段となります。
いじめ問題に詳しい弁護士であれば、状況に応じたさまざまな解決方法を熟知していますので、学校側と協議しながら、いじめ問題の解決に向けて取り組んでいくことが可能です。
また、弁護士が窓口になると問題が大きくなるかもしれない、という心配があるという方は、後方支援という形で弁護士がアドバイス・サポートをすることも可能です。ひとりで対応をしなければならないのは、精神的にも大きな負担となりますが、弁護士が味方になってくれれば非常に心強いといえるでしょう。
加害者および学校側に対して損害賠償請求をする場合には、交渉や裁判などの対応が必要になります。また、刑法上の犯罪に該当するような悪質ないじめであった場合には、被害届の提出や刑事告訴なども検討しなければなりません。
弁護士に依頼すれば、このような法的な対応についても行ってもらえますので、最後まで安心して対応を任せることができます。
参考
学校での問題・トラブルの
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いじめの態様によっては、刑法上の犯罪行為に該当するものもあります。また、犯罪に該当しないものであったとしても、いじめの被害を受けた子どもは、心に大きな傷を負ってしまいますので、早期に適切な対応を行うことが大切です。
いじめ問題の解決にあたっては、弁護士への相談も有効な手段のひとつです。法的観点から適切な解決方法を検討いたします。いじめが刑法上の犯罪にあたる場合には、被害届の提出などが必要なケースもありますので、まずはベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。
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設立 | 2010年12月16日 |
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